岡山県警察本部庁舎篇

外の光を取り入れると同時に外部環境から人々を守ってきた建築ガラス。近年はそうした役割に加え、様々な機能を担うことで豊かな生活を支えています。建物ごとに異なるガラスの役割を理解し、完成後の姿とそこで過ごす人々を想いながら一つひとつの業務に取り組んでいる石﨑本店。今日まで続けてきた営みは技術だけでなく、熱い想いも生み出してそれぞれの現場で力を発揮するエネルギーとなっています。

要求に全力で応え、
堅固な庁舎を築くために。

今回石﨑本店が施工を任されたのは岡山県警察本部の新庁舎。場所は県庁の敷地内、旭川のほとり。周囲を既存の建物で囲まれ、限られたスペースで施工をする必要性から難局に立つ場面もあったといいます。建物自体の快適さはもちろん、求められるガラスの強度も相当なものでした。街の新たな治安のシンボル建設に、石﨑本店の仲間はどのように向き合ったのか。当時の営業所長日高と、営業担当者であった栗原の話から掘り下げます。

概要

内 容 岡山県警察本部新庁舎へのガラスの施工
期 間 2019年3月〜2020年6月
従事社員数 10〜15名
要求事項 セキュリティに優れたガラスの施工
CHAPTER-1

時代とともに変化するガラスの役割

「警察の庁舎ということで、ガラス自体に丈夫さが求められました。メーカーとは何度も納期の確認を行いました」。栗原によると指定されていたガラスは通常のものより厚く、依頼できる製造メーカーや納期が限られていたと言います。「ガラスにも特別な機能を求められることが増えています。近年は断熱性にスポットが当てられることが多いですが、他にも例えば病院では遮音性に特に配慮する必要があるなど、ただガラスをはめておけばいいという考え方から変化してきていると感じますね」。新庁舎で使用するガラスも設計の段階から建物の用途に合わせたものが指定されていたそうです。

岡山県庁の敷地内に建設された新庁舎
ロビーは大型ガラスの壁面で明るく開放感を演出
CHAPTER-2

制限のある現場でこそ人の力が要に

厚みがあるほど当然ガラスの重量は増えます。施工社員と職人たちが現場で苦労したことの一つは、ガラス製手すりの運搬でした。「作業中は製品に傷がつかないよう、慎重に扱う必要があります。例えば幅1メートルもない手すりでも重量は想像以上で、一つ持ち上げるために4名の作業員が必要になります。通常であれば車両や機具を活用するなど効率的な手法を取るのですが、限られた敷地内では難しく、すべて手作業で運んだのが思い出深いですね。様々なメンバーが協力して作業するので、皆の呼吸を合わせるのも施工上、大切なポイントです」。現場で施工リーダーの言葉に奮闘する作業員たちの姿が浮かんできます。そんな苦心を要するプロジェクトでも、作業中には報われる瞬間、モノづくりへの熱い想いがこみ上げる瞬間がありました。

高い強度を確保するため、厚みのある合わせガラス製の手すり
ガラスを多用することで内装の質感を向上
CHAPTER-3

成功体験と達成感が次の現場への活力に

「完成した庁舎を見たときは感慨深かったですね。仲間の頑張りを誇らしく感じました」。日高の言葉に栗原も「営業担当としても手がけた建物が完成すると、やはり嬉しいです」と頷きます。「社内はもちろん、社外ともしっかり連携が取れたことも大きかったですね。新庁舎にスクリーンと呼ばれる大型ガラスをはめ込む際、建設会社の全面的な協力のおかげで重機を使用することができ、計画通りに作業を進めることができました。現場に集うあらゆる人たちがより良い仕事をしようと協力し合い、さらに力を発揮していく。そんな中で積み重ねた成功体験が自信を生み、完成後の達成感とも相まって次の現場でも頑張ろうという活力になっています」。